iPhoneでは画面をMacにミラーリングすることで、Mac上からiPhoneを操作できます。
これにより、iPhoneのデータにMac上からアクセスできるため、上手く使えば様々な作業が効率よく進められるでしょう。
今回は、Macを使用してiPhoneでミラーリングを行う方法についてご紹介します。
Apple純正のミラーリングから、サードパーティ製のミラーリングアプリまで詳しく解説しています。
iPhoneによるミラーリングの詳しいやり方を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
Part 1:Apple純正ミラーリング(無料・安全)
まずはApple純正のミラーリングの設定方法についてご紹介します。Apple純正でのミラーリングは、以下の方法で行えます:
- AirPlay
- QuickTime Player
- 「iPhoneミラーリング」アプリ
それぞれ対応機種や接続方法が異なるため、詳しくみていきましょう。
1-1. AirPlay(macOS Monterey~Sequoia)
まずはAirPlayを使用したミラーリング方法です。ミラーリングを行う準備として、以下の項目をご確認ください:
- iPhoneとMacの両方で同じネットワークのWi-Fiに接続する
- iPhoneとMacの両方が同じApple Accountにサインインしていることを確認する
上述の項目が問題なければ、MacとiPhone側でそれぞれ設定を行っていきましょう。以下で詳しく解説していきます。
Mac側設定
AirPlayのMac側での設定をご紹介します。設定方法はmacOS Ventura以降とmacOS Montereyで異なるため、それぞれ解説していきます。
macOS Ventura以降
macOS Ventura以降のMacでiPhoneのストリーミングを行う際は、以下の手順で設定を行います:
- MacのAppleメニュー(左上のAppleマーク)から「システム設定」を開く
- 「システム設定」の左側のサイドバーから「一般」をクリック
- 「一般」を開いたら「AirDropとHandoff」をクリック

- 「AirDropとHandoff」を開いたら「AirPlay レシーバー」の項目をオンにする

- その下にある「AirPlayを許可」の項目で「現在のユーザ」を選択
以上で設定は完了です。
macOS Monterey
macOS MontereyのMacでiPhoneのストリーミングを行う場合は、以下の手順で設定を行います:
- MacのAppleメニュー(左上のAppleマーク)から「システム環境設定」を開く
- 「システム環境設定」を開いたら「共有」をクリック
- 「共有」のメニューから「AirPlayレシーバー」の項目の左側にチェックを入れる
以上で設定は完了です。
iPhone操作
Mac側の設定が完了したら、次はiPhoneで実際にミラーリング開始の操作を行っていきましょう:
- iPhoneの「コントロールセンター」を開きます
- 「画面ミラーリング」のマーク(四角が2つ重なっているマーク)をタップ

- 「画面ミラーリング」の一覧で現在操作しているMacを選択する

- iPhoneの画面ミラーリングが開始
「コントロールセンター」を開くには、Face ID搭載のiPhoneでは画面右上端から下に画面をスワイプしてください。また、ホームボタンがあるiPhoneでは、画面の下端から上にスワイプしてください。
▼ 対応機種と注意点
- 必須機種: AirPlayを使用するには、iPhone 7以降でなおかつiOS14以降搭載のiPhone機種と、以下のmacOS Monterey以降搭載Macが必要です:
- MacBook(2018以降のモデル)
- MacBook Pro(2018以降のモデル)
- MacBook Air(2018以降のモデル)
- Mac mini(2020以降のモデル)
- iMac(2019以降のモデル)
- iMac Pro
- Mac Pro(2019以降のモデル)
- Mac Studio(2022年以降のモデル)
- 接続不可の対処法: AirPlayで接続出来ない場合は、iOSとmacOSの確認を行ってください:
- iPhoneのiOSが14以降であること
- MacのmacOSがmacOS Monterey以降であること
なお、「AirPlayレシーバー」がオンになっていないと接続できない点にもご注意ください。
- セキュリティ警告: Apple AirPlayに関しては、2025年5月に同じWi-Fiに接続することで、ネットワーク経由でデバイスを乗っ取れるというセキュリティに関する脆弱性が発見されました。そのため、セキュリティには十分に注意して使用したいミラーリング方法です。こちらの問題は、現在Appleのアップデートにより、対策が行われています。しかし、外出先などでオープンな無料Wi-Fなどを使用する場合はAirPlayでのミラーリングは行わないほうが良いでしょう。外出先では有線によるミラーリングがおすすめです。
1-2. QuickTime Player(有線USB)
iPhoneの画面をMacでミラーリングする方法として、Macに標準で付属しているQuickTime Playerを使用する方法もあります。以下に具体的な手順や注意点などをご紹介します。
基本手順
QuickTime Playerを使用し、iPhoneの画面をミラーリングする方法は以下の通りです:
- iPhoneとMacをUSBケーブルで接続します
- QuickTime Playerを起動します
- 「ファイル」から「新規ムービー収録」をクリックします

- ウィンドウが表示されたら録画アイコンの右にある「下矢印マーク」をクリック
- 接続されているiPhoneの名称を選択します
- iPhoneの画面のミラーリングが開始されます
制約
QuickTime Playerでは、iPhoneとMacをUSBケーブルで有線接続しなければいけません。Wi-FiやBluetoothなどの無線による接続は行えないため、有線接続が行えない時にはQuickTime Playerでミラーリングは行えない点にご注意ください。
▲ 弱点と注意点
- QuickTime Playerでは有線接続が可能な一方、オンライン接続には対応していないという弱点があります。
- QuickTime Playerでは、Lightning-USBケーブルでiPhoneとMacを接続頂く必要がある点にご注意ください。
1-3. macOS Sequoia「iPhoneミラーリング」アプリ
macOS Sequoiaでは、新たに「iPhoneミラーリング」アプリが追加されました。このアプリは、その名の通り、iPhoneのミラーリングを行うことに特化した純正アプリです。「iPhoneミラーリング」の詳しい情報を以下にまとめましたのでご覧ください。
革命的新機能(iOS18以降)
「iPhoneミラーリング」アプリは、macOS Sequoiaから追加されたMacに標準装備された新機能です。このアプリは、Macでアプリを起動するだけですぐさまiPhoneの画面ミラーリングが開始できます。このアプリを使用するためには初期設定が必要ですが、それ以降は手軽にミラーリングが行えるという大きなメリットがあります。
初期設定・強み
「iPhoneミラーリング」の初期設定は以下の手順で行えます:
- 「iPhoneミラーリング」アプリを起動します
- セットアップ画面が開始されます

- 「続ける」をクリック
- iPhoneでパスコードを入力し、ロックの解除を行います
- iPhoneで通知許可の確認メッセージが表示されるため、「許可/許可しない」を選択してください

- 「iPhone ミラーリングが使用可能になりました」の画面が表示されたら「開始」をクリック

- iPhoneの画面ミラーリングが開始されます
「iPhoneミラーリング」を使用すれば、アプリを起動するだけですぐさまiPhoneの画面ミラーリングが可能になるという強みがあります。このアプリはmacOS Sequoia以降では標準装備されており、いつでも起動可能です。手軽にミラーリングを使用したい方にとって、有力な新しい選択肢のひとつとなっております。
▲ 注意点
- macOS Sequoia以降のAppleシリコン、Apple T2セキュリティチップ内蔵のMacでのみ使用できます
- iOS18以降のiPhoneでのみ使用できます
- iPhoneとMacが同じApple Accountにログインしている必要があります
- iPhoneとMacのBluetoothとWi-Fi機能がオンになっている必要があります
Part 2:ワンステップで可能:Mac専用の純正ミラーリング操作解説
ここからはMac専用の純正ミラーリングの操作について詳しく解説します。
2-1. ワンステップ接続の落とし穴
「iPhoneミラーリング」はワンステップで起動可能な便利な機能である一方で、思わぬトラブルの発生も考えられます。以下で接続フローとありがちなトラブルをご紹介します。
接続フロー
「iPhoneミラーリング」の接続方法は以下の通りです:
- MacでiPhoneミラーリングアプリを起動する
- 「iPhoneミラーリングはロックされています」という画面が表示されるため、Macのパスワードを入力する

- 「iPhoneミラーリング」が起動します
このように、「iPhoneミラーリング」を使えばすぐに接続が可能です。
▼ 頻発トラブル即解決
- 「iPhoneミラーリング」の動作が安定しない:ネットワークの状況が安定していない可能性があるため、ネットワークが安定した状況でご使用ください
- ミラーリングが勝手に終了した:「iPhoneミラーリング」を使用中にiPhone側で操作を行うと、「iPhoneが使用されました」と表示されてミラーリングが終了するためご注意ください
2-2. オフライン環境で使える最終手段
「iPhoneミラーリング」アプリは、ネットワーク接続によってiPhoneとMacを接続しているため、オフライン環境では接続できないという欠点があります。そのため、オフライン環境で使用するためには、他のアプリの利用をご検討いただく必要があります。オフライン環境ではUSBケーブルによる有線接続でのミラーリングとなります。
オフライン環境でのミラーリングには、WondershareのDr.Foneがおすすめです。
Dr.Foneによる有線接続でのミラーリングは、遅延なく操作が行えるため、ミラーリング操作での遅延によるストレスを感じずに済みます。Dr.Foneを含む、サードパーティ製のミラーリングアプリについては、Part3で詳しくご紹介しますので、ぜひご覧ください。
Part 3:サードパーティ製アプリ徹底比較
iPhoneの画面をミラーリングする際、純正アプリだけでなく、サードパーティ製のアプリを使用することも可能です。以下で主要ツールの比較を行っていきますので、ぜひ参考にしてください。
3-1. 主要ツール評価基準(2025年最新)
以下に主要なサードパーティ製ミラーリングアプリの比較表を用意しました。
アプリ名 | 接続方式 | 画質/安定性 | 録画機能 | 価格(税込) |
---|---|---|---|---|
LetsView | 無線(Wi-Fi) | △(無料版は3分以降SD画質になる) | ◯ | 無料版あり プロ:4,500円/年 ビジネス:5,400円/年 |
AirDroid Cast | 有線・無線 | ◯ | ✕ | Standard;$2.50/月 Basic:$1.67/月 |
AirServer | 無線 | △(画質・音質は◯だが、音ズレや遅延がある) | ◯ | 無料版あり(制限あり) 有料版:$19.99〜 |
Dr.Fone | 有線・無線 | ◯(低遅延な有線接続) | ◯(ワンクリックで録画可能) | Basic:4,380円(税込)/年 Basic(永久ライセンス):6,380円(税込) |
3-2. Dr.Fone Basic – スクリーン ミラーリング 詳しく紹介
Dr.Fone Basicでは、iPhoneやiPadなどの画面をミラーリング可能ですが、このアプリの機能はそれだけに留まりません:
- スマホ管理:PCとスマホ間での連絡先・SMS・写真・音楽などの転送が可能
- スマホバックアップ:スマホのデータバックアップが可能
- USBケーブルでミラーリング:Macと有線接続して低遅延なミラーリングが可能
- Wi-Fiでミラーリング:QRコードやキャストコードを入力するだけでWi-Fi経由でオンラインミラーリングが可能
- MacなどのPCでiPhone/iPadの画面を録画:録画ボタンを押すだけですぐに録画可能
- MacなどのPCでiPhone/iPadの画面をスクリーンショット:ワンクリックですぐにPC上でiPhone/iPadのスクリーンショットが可能
このように、Dr.Foneではミラーリングだけでなく、便利な様々な機能が使いやすくまとめられています。ミラーリングや画面収録、スクリーンショットまで必要な機能を網羅しているため、多くの方にご満足いただけます。
また、Dr.Foneを使用した無線接続でのミラーリングは以下の方法ですぐに行えます:
- Dr.Foneをインストールし、スクリーンミラーリングを起動

- 「マイデバイス>Wireless」に移動し、iPhoneと接続する。iPhoneにDr.Fone Linkをインストールし、QRコードをスキャンして接続する

- iPhoneとPCでミラーリングの接続が行われたら、PCの画面で「ミラーリングの終了」をクリック

- iPhoneで「ブロードキャストの開始」をタップ

- ミラーリングが開始される

Dr.Foneでの詳しいミラーリングの方法はこちらのページを参考にしてください。Dr.Foneはオンライン・オフラインを問わずすぐにミラーリングが行えるため、場所を問わずいつでもご利用いただけるアプリです。
Part 4:活用シーン別おすすめ方法・最適な方法診断
iPhoneの画面をMacでミラーリングする場合、どのような活用方法があるのか、方法ごとの最適なアプリは何かをご紹介します。シーン別の最適なミラーリング方法を知りたいとお考えの方は、こちらを参考にしてみてください。
- オンライン授業/講義 → QuickTime+録画機能推奨:オンライン授業や講義でiPhoneの画面ミラーリングを使用したい時には、QuickTime Playerでのミラーリングがおすすめです。QuickTime Playerには録画機能が備わっているため、ミラーリングしたiPhoneの画面を録画したものを使用して授業や講義が行えます。例えば、オンライン授業や講義の内容を後から見直したい時には、この録画機能を使用すればすぐに録画を開始できます。そのため、オンライン授業や講義は、QuickTime Playerの使用がおすすめです。
- スマホゲームの実況 → Dr.Fone+録画安定性:スマホゲームの実況には、Dr.Foneの利用がおすすめです。Dr.Foneでは有線を使用することで安定した低遅延な録画が行えるため、ゲーム実況などのジャンルに向いています。例えば、スマホゲームの映像・音声を録画しつつ、Mac上でマイク音声を同時に録るケースにも対応できます。ラグが少ないため視聴者がストレスを感じない、高クオリティのコンテンツづくりが可能です。
- 通知を見ながら仕事 → iPhoneミラーリング(iOS18):iPhone上の通知を見ながら仕事をしたい方は、「iPhoneミラーリング」アプリの使用がおすすめです。アプリを起動すればすぐに画面のミラーリングが行えるため、iPhoneの通知をすぐに確認したい場合に最適な方法となっています。仕事の連絡にすぐ反応したい場合などは、「iPhoneミラーリング」アプリをご使用ください。
Part 5:よくあるトラブル&対処法
次はiPhoneとMacでミラーリングを行いたいときに、よくあるトラブルをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
- 「iPhoneミラーリング」アプリが使用できない:「iPhoneミラーリング」アプリが使用できない時は、以下の点をご確認ください:
- ✔iPhoneがiOS18以降、MacがmacOS Sequoia以降のAppleシリコン、Apple T2セキュリティチップ内蔵Macである
- ✔iPhoneとMacでBluetoothとWi-Fiがオンになっており、同じネットワークに接続している
- ✔ネットワークが安定している
- ✔iPhoneとMacが同じApple Accountでサインインされている
- ✔接続しているiPhoneが正しいかどうか
「iPhoneミラーリング」アプリの使用が難しい場合には、Dr.Foneの利用をご検討ください。
- QuickTime Playerでミラーリング接続ができない:オンラインでの無線接続に対応していないため、Lightning-USBケーブルを用意する必要があります。Lightning-USBケーブルがない場合は、他の方法をご検討ください。
- AirPlayでミラーリングできない:AirPlayでミラーリングできない場合は以下の点をご確認ください:
- ✔iPhoneとMacを同じWi-Fiに接続しており、接続が安定している
- ✔iPhoneとMacで同じApple Accountにサインインしている