今までの通信規格は3Gや4Gといった物で、多くの人が聞き慣れた単語になっていました。そしてすでに次の規格である5Gの実用化が2020年の3月頃から始まりました。
今回はこの5Gがどのような物で、どのようなメリットをもたらしてくれるのか？といったことや、iPhoneシリーズの最新機であるiPhone12ではこの5Gに対応しているのか？という点について解説していきます。
5G通信は従来のものと比べて高い周波数帯を用いるため電波の直進性も高くなっており、通信会社側が小型基地局などの準備をする必要こそあるものの、今までよりも格段に早い通信速度を実現しています。各通信会社毎に違いはありますが、下り速度でおよそ2.0Gbpsから3.4Gbps、上りでは103Mbpsから182Mbpsほどの速度を記録しています。
従来の無線通信では遅延の問題があり、特に通話やオンラインゲームをプレイした際に大きな問題となっていました。しかし5Gでは無線通信方式が改良され、今までよりも遅延のない通信が可能になっています。
4Gでは10ms程度の遅延があるとされていましたが、5Gでは1msまで遅延が改善されており、大幅な改良が加えられたと言えるでしょう。これによりリアルタイムでの応答性の高い通話などが利用可能になるのです。
通常基地局1台に対して同時に接続できる端末の数には限りがあり、今まではさほど多いものではなかったので、利用台数の多い時間帯などは通信が不安定だったり低速になる事がよくありました。
5Gではこの同時接続数が飛躍的に増加しており、今までのように通信利用者が多いことで繋がりにくくなってしまう問題の解決に成功しています。またこれは5Gを使って接続する家電などの機器にも影響があり、今までWifiなどで電波が渋滞してうまく通信機能が使えなかったケースでも、5Gであれば同時に接続できる数が増えているので対応可能です。5G無線通信を使う機器であれば家の中に何十台ひしめき合っていたとしても正常に通信出来るのです。
便利で画期的な5G通信ですが、iPhoneユーザーの多くは、最新機種のiPhone12にこの5Gが使えるのかどうかというのは気になる所ではないでしょうか。そこでiPhone12の5G対応情報について以下にまとめていきます。
iPhone12は基本的に全て5G通信を使うことができます。しかし厳密には5G通信も2種類に分かれており、比較的低価格帯となるiPhone12とiPhone12 Maxでは5GのSub6という規格にのみ対応となってます。高価格帯となるiPhone12 ProとiPhone12 Pro Maxでは5GのSub6に加えてミリ波というものにも対応しています。
iPhone12シリーズ内で対応が違うこのSub6とミリ波はそれぞれ違う特性を持っており、「ミリ波」が上記に上げた特徴的な5G通信の特徴である超高速な通信を可能とします。
しかしミリ波は電波の届くエリアが狭く、障害物などによる通信阻害に弱いという特徴を持っています。しかし通信速度を5Gの魅力と捉えているのであればミリ波に対応した機種である必要があるでしょう。「Sub6」はサブ6GHz通信で、電波こそミリ波よりも届くやすく安定しているのですが、通信速度は従来とさほど大きく変わることはないので、5Gの醍醐味は薄いと言わざるを得ません。
5G通信はこれから対応する機種が増える事が期待されている新しい通信規格です。しかしまだ出たばかりのものであるため機器側の対応が進んでいないこともあり、iPhone12でもやや高価格帯となるiPhone12 Pro以降でしか5Gミリ波を使うことはできません。同じ5GでもSub6とミリ波では使用感は全く違うため、iPhoneや対応機種の購入の際は注意しておきましょう。
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藤原 弘子
編集長